Takuma Club Meeting 2008 in 東京 のメモ、第12弾です。
「来年の車?カッコ悪い!ニューウェイに手紙書こうかな」
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本編は、質問コーナーで、あるファンからの質問に答える内容の後半です。
| 琢磨 | で、Bの付く車?に限らず、あれはカッコ悪いよ。あれは勘弁して、と思う。あれはダメ。 |
| 司会 | 見た目的に? |
| 琢磨 | ダメ、ダメ。F1はカッコ良くないと。やっぱり夢を乗せて走るクルマだし。あのリアウイングもおもちゃみたいだし、フロントウィング、何あれ?(笑) レギュレーションなんであんな風にしちゃったのかなって。テクニカルディレクター達が集まって、追い越しを可能にするため、カッコ悪くするんじゃなくて、今のF1はあまりに空力に対してものすごく敏感なので、ちょっとでも空気の流れがかわると、あっという間にダウンフォースがなくなっちゃう。そういった意味では、物凄くシンプルにして、前のクルマの真後ろに付いたときに、少しでも空力による影響を落とそうと、フロントにたくさん空気を当てて、リアもちょっとでもウイングを高い所に上げてあげて、ダウンフォースを失わないようにという事なんですど。何かもうちょっとうまいやり方があったんじゃないかなと。 |
| 司会 | 基準みたいのないんでしょうかね?カッコ悪いのはダメみたいな。 |
| 琢磨 | あったんですよ。F1は昔ティレルやアローズがやったけど、色んなウィング付けた時に、「カッコ悪いからダメ」って言ったんですよ。 |
| 司会 | じゃまたそれを・・・ |
| 琢磨 | 今の時点でレギュレーションはそんなに大きくは変えられないと思うので、2009年はあの形でいくのかもしれないけど・・・まぁすぐに戻ると思いますよ?(笑) |
| 大谷 | 琢磨君、何かみたいだねぇって言ったじゃないですか?あの車みて。 |
| 琢磨 | ジャーナリストとかフォトグラファーっていうか松本浩明さんなんですけど。(笑) コースサイドに出てってね、なんか“ちり取り”が走ってきたみたいだと言ってましたね。 |
| 司会 | ”掃除機”っていう案もあったんですけど、”ちり取り”案ですか? |
| 琢磨 | ちり取りでも掃除機でも、とにかく何でも吸収しちゃうみたいなね。まぁ幸いなことにコックピットからは見えないんで、うん。視界は良好だし、大丈夫。まあまあ走ればいいんですよ。 |
| 司会 | 大勢に影響はないという感じで。 |
| Fan11 | 来年の、乗れるだろうマシンがカッコ良いことを祈ります。 |
| 琢磨 | そうですね、本当に僕もそう思う。これからちょっとニューウェイに手紙書いちゃおうかな。あの人、カッコいいクルマを作るの得意だから。 これちょっと話脱線しますけど、今のF1の世界は、スーパーコンピューターを使ってCADで自動的に何回も何回も空力をシミュレーションして。すごいんですよ。1枚のフロントウイングを作るだけでも、コンピューターに計算させて、どういう形が一番効率が良いかっていうね。それ何日もかかるんですよ。それで、何日かかって計算出たものに対して、その空気の流れがじゃあ後ろのパーツにどう影響を与えるかをまた何日も計算して、それで作っていくんですよ。だから凄い大変な作業なんだけども、全部基本的に全部スーパーコンピューターを使っていくんですよね。コンピューター任せでやっていく。だけど、エイドリアン・ニューウェイは、いまだに鉛筆なんですよ。 |
| 大谷 | 彼、事務所にコンピュータ無いらしいですしね。 |
| 琢磨 | 本来そうあるべきなんだろうなと思うけど。もちろんだからって、鉛筆だけで全部作るわけじゃないんですけど。基本的には、コンセプトは彼が鉛筆で書く。で、そのデザインに沿って、各デパートメント(部門)でコンピューターでシミュレーションされるんだけども、もうだいたい彼が描いた通りに上がってきちゃうみたいですね。 |
| 大谷 | 合ってるんだね。 |
| 司会 | 職人ですね。 |
| 琢磨 | 本当に凄いなと思って。要は、フィーリングってありますよね?レースの世界で基本的に共通しているのは、トップを走る車はどんな車でもカッコ良くみえてしまう。速いクルマは究極の機能美じゃないけど、結果として美しく見える傾向があるんだけど、ニューウェイの車は美しいよね、カッコいいよね。レッドブルが“青いマクラーレン”と言われていた時があったけど、最初はパフォーマンスがあがらなかったけど、とにかくルックスだけは凄く良くて。とにかく彼らエンジニアもそれは納得している。“見かけはいいんだけどね”って。でも、それに裏付けられるようにしっかりと走って、こうやって年月が経つと、それがやっぱり機能して、ああいう風に結果を出せるというね。僕は信じてます。 |
| 司会 | 楽しみです! |
| 大谷 | ニューウェイ!フェラーリ!***(琢磨)! |
| 琢磨 | だから、フェラーリは!! |
| 大谷 | フェラーリは言っちゃいけない? |
| 琢磨 | あのね、みんなちょっと誤解してる。もちろんパワフルなエンジンですよ。でもね、F1は難しい。エンジンパワーって言うのは本当に見えないですね。何でかって言うと、空力が邪魔なんですよ。F1のエンジンパワーが物を言う速度域って言うのは、結局パワーがありすぎて、タイヤが空転してしまう。だからドライバーはフルスロットルに出来ないんですよね。そうするとどんなエンジンでも基本的なパワーは測れないでしょ。その後ようやくグリップし出して、全開にしてシフトアップしていく。でもその頃には空力が邪魔してて、抵抗が少ない車が速くなってしまうんですよね。 |
| 大谷 | エンジンパワーがカバーされっちゃっているわけね。 |
| 琢磨 | そう。だから、根本的には抵抗はあるけれども、必ずしも順位がエンジンパワーに反映されるとは限らない。 ただ、一つ言えるのは、フェラーリのエンジンが凄いなと思ったのは、これは比較でも何でもないので言いますけど・・・ドライバビリティが素晴らしい。 |
| 大谷 | ドライバビリティ・・・運転しやすい? |
| 琢磨 | そう。どういう事かって言うと、要はアクセルを踏んっていった時に、踏んだ通りにエンジンパワーが出る。何か普通の、当たり前のことを言っているように聞こえると思うけど。 |
| 司会 | 運転する側からすると凄く気持ち良い? |
| 琢磨 | えぇ、そう。気持ち良いだけじゃなくてすごく大事なんですね。何が言いたいかって言うと、要するにF1マシンっていうのは極限のパワーだけを求めているんで、踏んだ通りにパワーが出てこないんですよ。だからパワーの曲線がこういう風になだらかな線じゃなくて、ちょっと波打っているんですね。それを今までは補正しながら走っていたんだけれども、そういうものが今「一切だめ」って言われて、エンジンの素の素性が顔を出してきて。で、そこに来るとピークパワーも大事なんだけれども、如何にドライバーの意思に沿ったエンジンパワーを出力するかで全然印象が変わるんですよ。 |
| 大谷 | つまりコーナリング中に、ちょっと踏んで、滑り始めにちょっと戻すっていう微妙な操作を受け付けてくれる、って感じ? |
| 琢磨 | そう。そういう意味では、びっくりした。 |
| 大谷 | 良いエンジンなんだ・・・ |
| 琢磨 | そう!!(会場笑い) |
第13弾(質問コーナー⑦)に続く・・・

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